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アメリカ歯周病学会レポート クインテッセンス寄稿文(インプラント周囲炎について)

2 月 4th, 2012

昨年11月、フロリダ州マイアミにて第97回アメリカ歯周病学会(AAP)が開催されました。学会に参加した感想や私の考えを掲載されたものが出版されています。

最大のトピックスはインプラント周囲炎。歯を保存することを最大の目標としている専門医の最高峰の学会、アメリカ歯周病学会にてインプラント、ましてやインプラントの問題点である「インプラント周囲の感染について」が学会で最も大きく取り上げられたことは本当に考えさせられます。

開業歯科医の起源はハムラビ法典の記載が最古とも言われているので、4000年前(メソポタミア文明)となりますが、少なくとも太古の昔から私たちの先輩たちは歯科疾患と闘ってきたのはまぎれもない事実です。しかし、その一方で私たち歯科医師はここ数十年で新たな疾患を作り出してもいます。人類の歴史から言うと500万年間、この世に存在しなかった疾患、生体にチタンという人工物を移植することがきっかけで興った疾患、それがインプラント周囲炎なのです


インプラントが日常化しているなかで、天然歯の歯周炎と同等に歯周病専門医はインプラント周囲炎への対応が必須となってくる。

1、すでにインプラント周囲炎を発症しているインプラント周囲炎への適切な対応が求められる。

2、インプラント周囲炎を発症させないようなインプラント治療を学ぶ。

の2点が重要である。


およそ60年前のDr. PI Brånemarkの研究からスタートしたインプラント治療、現在ではその素晴らしい臨床結果や有用性が脚光を浴びており、当院でもインプラント治療は日常業務です。しかしものごとには必ず「光と陰」があります。私たちはその陰の部分とも正しく向き合い、そしてそれを排除する努力をしてこそ、光の部分がより美しく光り輝くことであろうと考えます。

インプラント治療は、歯周病専門医によって行われる、または歯周病専門医の管理のもとで行われるべきであるという、自身のこれまでの考えが正しかったということを学会を通じて強く確信しました。

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