私は、OJでは2005年にミッドウィンターミーティング、2006年に年次総会(シンポジストとして講演)、と2回スピーチの機会をいただいています。今年の各発表者の内容を要約すると、下記のキーワードが浮かび上がってきます。
- 治療期間の短縮(即時負荷、即時埋入)
- CTの利用
- コンピュータガイドシステム
- 審美領域へのインプラント
これを集めてくれば、「治癒期間の短縮を目的とした、CTおよびコンピュータガイドシステムによる即時負荷(埋入)インプラント」という演題が自然に完成してしまいます。つまり、これが現代のインプラントの潮流ということになります。
それ以外にもいくつか器械や機材のテーマが出されていましたが、やはりここでは皆さんの関心度の高い「現代のインプラントの潮流」についてお話するのがよいでしょう。
13演題中前述の4つのキーワードのどれかが入っているものは9演題であることから現在、いかにこの分野に関心が高いかがおわかりでしょう。私の感想としては、みなさん、前歯のインプラント治療が上手だったことです。
しかし、座長をされていた先生や私が尊敬するファウンダーの本多先生などは、器械、機材ありきの治療法や治療計画に苦言を呈する場面もあり、私と全く同感でした。医療のゴールは「患者さんの幸せ」です。そのために私たちは、過去を踏まえ、現在を検証し、新しいテクノロジーを取り入れていくべきだと考えます。
牧草の考え
- CTは、インプラント治療に必要不可欠になりつつある。
- コンピュータガイドシステムは、今後発展していくであろう。
- 前歯単独のインプラントでは、即時プロビジョナライゼーションが有効であろう。
- 症例選択が正しければ、即時埋入、即時負荷で良好な結果が得られるであろう。
もちろん、これらの項目を満たすには、診査・診断・治療計画、外科・補綴の基本手技が重要なファクターであることはわざわざ述べるまでもないことである。
admin 医療従事者の部屋, 国内出張
2月7日は宝塚の歯科医院に出張手術に行ってきました。
私のように他の医院に出向いて手術するドクターのことをフライングサージャン(Flying Surgeon)といいます。直訳すると、空飛ぶ(Flying)外科医(Surgeon)ですが、まさに飛行機、新幹線、車で全国の歯科医院からの依頼にお応えしています。
当日は牧草歯科医院の若手有望歯科医師の小川智功先生と麻酔専門医の松田佳子先生の3人のチームでした。辰巳先生は私が主宰する研修会で歯周病・インプラントの専門教育を受けられ、ご自身でもインプラント治療をされているのですが、レベルアップのために実地指導を希望され、私の指導のもと、素晴らしい手術をされていました。
また、別の患者さんは非常に高度な手術が必要だったことから、私が手術を担当いたしました。治療期間を短縮するために、抜歯と同時に上顎と下顎にインプラントを9本入れる手術を行いました。長時間のオペだったので終わった後は写真のように疲れ果てていましたが、患者さんの喜んでおられるお顔が私の疲れを癒してくれます。
その後
大阪の梅田にあるブリーゼブリーゼという複合ビルにあるお寿司屋さん(赤石鹿ノ瀬寿司 電話:06-6345-7006)に行って美味しいお魚をいただきました。
(赤石鹿ノ瀬寿司さんの紹介サイト→http://r.gnavi.co.jp/c807703/)
このお寿司屋さんは、魚にうるさい牧草としては、値段もお手頃でお気に入りの一店です。
電話番号はお店の了解を得て記載しています。
宝塚方面の患者さんは、辰巳歯科(電話0798-51-6480、宝塚市仁川月見ガ丘2?57、阪急今津線仁川駅)で歯周病・インプラントのご相談をされてはいかがでしょうか。
もちろん高度先端医療については私たちがサポートいたします。
admin 国内出張
2月25日(水)から3月2日(月)までアメリカのインプラント学会に行ってまいります。
ご迷惑おかけしますが、その期間は院長不在となります。
Academy of Osseointegration(AO)という学会で、世界中の専門医が集まる世界有数のインプラント学会です。私はイギリスとスペインのドクターとの会議、インプラント企業の副社長との会議があります。
今年は、カリフォルニア州サンディエゴという都市で開催されますが、全米各都市の中では、「定年退職した後に住みたい町ナンバー1」に選ばれるほど住み良い町です。
私は今回が2度目ですが、町の様子やオバマフィーバーなど詳細は帰国後に報告いたします。
admin 海外出張
BIOMET 3iナビゲーターシステム
(CTおよびコンピュータ支援による即時機能型インプラントシステム)
先日(2008年12月9日)に当院にて、正式な手続きのもとでは、本邦初の最新のインプラント治療が行われました。
アメリカ最大のインプラントメーカー(BIOMET 3i社)が開発した、コンピュータソフトとCT画像を元に構築されたインプラントシステムです。
インプラントを入れたその日から仮歯が入るので、患者さんには非常に有益な治療法です。
さらに、あらかじめコンピュータ診断をしているので、歯肉を切ったり、縫ったりすることもなく、痛みは最小限に食い止めることができます。
当日は、アメリカから開発担当者、スエーデンからドクターが来日し、私の手術を見学しました。
手術を担当した私の意見としては、今後はこのような患者さん負担の少ないインプラント治療が多く行われることになるであろうことを実感しました。
admin 医療従事者の部屋, 雑感
1952年、今から半世紀以上も前に「スエーデンのブローネマルク博士が骨とチタンが結合するという事実を発見した」ことはあまりにも有名な話です。
その後、紆余曲折はあったものの、50年以上の基礎的・臨床的研究がなされて、現在では98.3%(日本の臨床施設で行われた約5000本のインプラントの統計)、当院の5年間統計では99.5%という非常に高い成功率が得られるようになりました。 つまり、インプラント(チタン)は骨に結合して当然なのです。
ここからが問題です。
インプラントは経験の浅い先生が正しくない場所に入れても骨と結合してしまうのです。当然ながら、正しくない所に入れたインプラントの上には不適切な歯ができてしまいます。「不適切な歯」は、見た目が悪い、掃除しにくい、かめないといった結果になるのは当然です。
私は年に数回アメリカの学会やシンポジウムに行き、そのついでに専門医のオフィスを訪問します。彼らも私と同じことを考えていて、多くの先生が「将来の自分たちの仕事の半分は自分でインプラントを入れていて、後の半分は開業医の入れたインプラントを取り除くことだろう」と言っています。
アメリカでも、専門的なトレーニングを受けないで「みようみまね!?」でインプラントをする先生が増えているとのこと。実際に私の医院でも他の医院で入れたインプラントへのリカバリー処置は年々増加してきています。私にとってインプラント治療は大切なものであり、患者さんにとっても素晴らしい治療法だと考えています。
その愛すべきインプラントを除去するといった仕事は、できれば二度としたくないというのが私の本音です。
admin 患者さんの部屋, 雑感